Le Parfum Magazine Mystery Box

A box-full of niche fragrances with a little surprise
箱いっぱいのニッチフレグランスが届く!ニッチフレグランス専門誌のミステリーボックス

先日ご紹介した、ニッチフレグランス専門誌のLe Parfum。デジタル版単体、紙版単体、デジタル版+ミステリーボックス、紙版+ミステリーボックスの4種の購入方法があり、わたしは紙版単体で購入したのだが、Twitterに投稿したところ想像よりも反響をいただき、Le Parfum社からミステリーボックスを頂戴してしまった。わたしなんぞでよろしければ…と、ありがたく受け取らせていただいたのだが、内容が想像以上に豪華だったので、来号からは雑誌単体ではなく、ボックス付きのセットを購入しようと心に決めた。すでにTwitterでは紹介したのだが、せっかくなのでブログでも詳しく紹介したいと思う。ちなみに、「ミステリー」要素を残したいという先方の意向により、現時点ではひとつひとつの商品の紹介は割愛している。香りを試したあと、それぞれのフレグランスレビューで紹介予定なので、しばしお待ちいただきたい。

【過去記事】
○ Le Parfum Magazine


ボックスには、3つの大きめサイズのサンプル(〜15ml)と、4つの小さなサンプル(1.5〜2ml)が入っていた。中身は、ボックスによって多少違うようだが、どれも€100相当のフレグランスサンプルが入っているということは一貫している。

箱を開けるとふわりとウッディアンバーの香りが漂い、ペーパーに香りがついているのか?と思いきや、実は同梱されていた扇子に香り付けがされていた。箱の蓋の裏面には、このボックスをどのように楽しめるかが書かれている。同梱のオーガンジーの袋には、キャンディ、フレグランスについてのカード、香りを試すためのムエット、そしてキャンディが入っていた(ちなみにこのキャンディ、中に酸味のあるパウダーが入っているフルーツキャンディで、とても美味しい)。


フレグランスを一部紹介すると、まず目を引いたのが立派な箱に入ったJacques FathのRed Shoes。創設者のJacques Fathはパリ出身のファッションデザイナーで、戦後のオートクチュールに最も大きな影響を与えたデザイナーのひとりと言われている。Red Shoesは2018年に発売された香りで、ベリーやグレープフルーツの甘酸っぱいトップから、エレガントなダマスクローズや、スパイシーなピンクペッパー、アーシーなジンジャーのミドルノートに移り変わり、パチュリやムスクのベースに落ち着く。付けると「Boss Lady」になった気持ちになり、背筋がピンと伸びる。強さだけでなくセクシーさも感じられる香りで、Red Shoesという名前がぴったりだ。

Maison RebatchiのAmbre Blancは2021年に発売されたばかりの香りで、トップノートに「ニンジン」が入っているユニークな香り。「Blanc(白)」という名前の通り、どことなく純白を思わせるイノセントな香り立ち。ムスクやアンバー、バニラのベースがしっかりと香り、どことなくセンシュアルさも感じられるのが特徴だ。


ひとつひとつの香りに対応するカードが同梱されているので、ムエットで香りを試しながらノートの一覧を確認することが出来る。カードにはRatingsと書かれた項目もあり、点数を書き込めるようになっている。

QRコードを読み取ると、その香りの背景などが詳しく書かれたLe Parfumのウェブページに飛ぶ。その香りのストーリーを深く知ることで、更に香りに深く入り込んでいけるという体験型の構成が面白い。ウェブサイトではその場で商品を購入することも出来るようになっていて、至れり尽せりだ。

ちなみにこのAstrophil & Stellaというフレグランスブランドについては、誌面で特集が組まれている。パンデミック中にイタリアで誕生した新しいブランドで、彼らのインスピレーション源や、どのように香りが作られているかなどが詳しくインタビュー形式で綴られている。こうしてブランドのことをよく知った上で商品を試すことが出来るのは、このサービスならではの醍醐味だ。

今回のボックスを見る限り、癖の強い香りは避け、出来る限り広い層にアピール出来る香りを選んでいるように思った。香りはパーソナルなものだからこそ、こういった「なにが入っているかわからないもの」を避けるひともいると思う。現にわたしは香りに限らず、サブスクボックスなどがあまり好きではなくて、なにか分からないものを買うのなら欲しいと思っているものを買いたいと思うタイプだ。ただ、今回Le Parfumのミステリーボックスを頂いて、ひとつも「この香りは絶対にまとえない」と思うものがなかったことに感動したので、今から次回を楽しみにしている。ひとつ懸念なのは、イギリスに輸入する際の関税だ。今回はいくつか別途サンプルをいただいたのでInvoice Valueが定かではないのだが、関税が£25かかった。税金自体は£13くらいだったのだが、Handling Feeとされるものが£12かかっている。となると、購入するのに€65+最低 £12、最高で£20強ほどかかることになり、多少ハードルが上がる。それを差し引いてもテンションの上がるボックスだったので、次号が発売になる頃には経済的余裕が出来ていることを願うばかりだ。

日本への発送も可能なので、気になる方はぜひ一度購入してみて欲しい。雑誌の読み応えだけでなく、鼻で、脳で、心で香りを体験できる、とても楽しい企画だ。