Dressed up honey with a hint of smoke
スモーキーさを漂わせたお洒落な蜂蜜
「蜂蜜の香りのフレグランス」と言われたら、どんな香りを思い浮かべるだろう。ポップで美味しそうな香り。それとも、どっしりと濃厚な香り。どちらも、このフレグランスには当てはまらないから面白い。
Carner Barcelona(カルナール・バルセロナ)は、スペインの革職人の家系に生まれた姉弟(どちらが年上なのか定かではないが恐らく)サラとホアキムによって2010年に立ち上げられたブランド。フレグランスを通して地中海の歴史や文化、そして溢れる活気を表現している。香りの創作からボトリングまで、すべての工程がスペインで行われていて、キャップには地中海の伝統的な素材であるサステナブルな木材を使用されており、ミニマルなガラスボトルは地中海沿岸で暮らす人々のシンプルで楽な姿勢を表現している。
この香りは、バルセロナのエル・ボルン地区を表現した香り。トップノートのベルガモットやレモンといった柑橘類はほとんど香らないものの、全体的に重くなりがちなブレンドにさり気ない軽やかさを与えている。
シュッとスプレーした瞬間、なんとも形容し難い異国感を感じる。石畳の道、落ち葉、歴史を感じさせる建物、教会、古書。どこか埃っぽいような、苦味のあるスモーキーさと、蜂蜜の甘さ、そして華やかさを添えるフローラルがバランス良くまとまっている。時間が経つとまろやかさが増し、甘みが残る。お菓子のような甘さではなく、スパイシーでほっこり温めてくれるような甘さ。グルマン系の香りなので秋冬向きではあるが、個人的には秋に纏いたい。黄金色の木々と、かじかむ指先が似合う香り。
50ml €105 / 100ml €160