Les Senteurs

A fragrance heaven with niche and semi-niche houses
ニッチもセミニッチも網羅したフレグランスショップ

チェルシーのSlone Squareから徒歩10分ほど。Elizabeth StreetにあるLes Senteursは、フレグランス好きなら絶対に訪れて欲しいショップだ。超ニッチに特化したカウンセリングサービス形式のBloomとも、ニッチフレグランスを多数取り扱うJovoyともまた違った味がある。ここではニッチフレグランスだけでなく「セミニッチ」とも言えるメインストリームとニッチの中間に位置するブランドも取り扱っており、より幅広い客層を楽しませている。


Les Senteursは、1984年にHawksley夫妻によって立ち上げられた、ロンドンで最も古いニッチ系フレグランスショップだ。以前はMarble Archの方に店舗があったようだが、現在はElizabeth Streetに移転している。ここは、まだByredo、Diptyque、Annick Goutal、Creedといった今やメインストリームとなったブランドがまだイギリスで広く知られていなかった時代に、それらのブランドをローンチさせたショップでもある。そしてその後もFrederic MalleやTauer Perfumesなどのブランドが、イギリスでのローンチの際にLes Senteursをパートナーとして選んでいるのだ。

晴れた日には光が差し込み爽やかな雰囲気の店内。取り扱いのブランドは約40種。セミニッチというカテゴリで言えばCreed、Frederic Malle、Seage Lutens、By Kilian、Maison Francis Kurkdjianなどがあり、その他はほぼニッチとカテゴライズされるブランドとなっている。

店内はリラックスした雰囲気で、親切な販売員があたたかく迎えてくれる。あちこちにムエットが置かれているので、販売員が忙しいときは一人でショッピングを楽しめるのも嬉しい。


わたしが最も感動したのは、販売員の知識とパッションだった。こういったフレグランスショップでは、一般的に販売員は大まかな知識をベースに、ボトルに書かれたノートなどを見ながらお客さまの希望の香りを絞っていく。Les Senteursではボトルにはノートは書かれておらず、販売員が案内してくれる。彼らの頭の中には、ほぼすべてのフレグランスのノートが記憶されており「これは何が入っているんですか?」と聞けば歩く辞書かと思うレベルでしっかりと情報をシェアしてくれる。

苦手な香りを伝えても「その香りは強いから苦手な人も多いよね、わかるよ」と理解を示してくれたり、「あ、これ良い香り」なんて言うと「どれどれ?香らせて!」とみんなで香りを嗅いだりと、彼らの香りへの愛情とパッションにも心動かされた。なんて良い人たちだったのだろう。ただフレグランスを買いに行くのではなく、彼らと香り体験をシェアするために店頭に足を運びたい、と思わせてくれる人たちだった。

Les Senteursでも、試したい香りがあれば1.5mlのサンプルを購入することが出来る。価格は商品にもよるが、だいたい£5〜でお手頃だ。サンプルは写真にあるように、台紙にブランド名とフレグランス名を書いて渡してくれる。容器にはラベルが貼られていないので、使い終わったら必ず台紙に戻して保管するのを忘れずに。また、フルサイズのボトルを購入する際には、サンプルを購入したときのレシートを持っていけばディスカウントもしてくれる。

フレグランスブランドに関わらず、純粋に「香り」に触れたい人にぜひ訪れてほしい、素晴らしい店だ。

71 Elizabeth St, London SW1W 9PJ