The Nue Co. Mind Energy

Put down your coffee, spray this fragrance supplement instead!
コーヒーの代わりに香りでエネルギーチャージ。The Nue Co.のサプリメントフレグランス

The Nue Co.は、自然と科学をかけ合わせたウェルネスブランド。臨床的に証明された成分と、アーユルヴェーダや中国医学といったプラクティスを組み合わせることで、実際に身体に「働きかける」製品を次々と生み出している。今ではさまざまな商品を展開しているThe Nue Co.だが、もともとは飲むタイプのサプリメント専門のブランドだった。創設者のJulesは、IBS(過敏性腸症候群)に悩まされており、サプリメントを摂取していたが、飲めば飲むほど症状は悪化。ケンブリッジ大学の講師そして医師でもある彼女の祖父に相談したところ、一般的なサプリメントはその成分の50%が有効成分とは関係ないフィラーと加工食品から出来ていると知ったそうだ。その後、祖父との会話にインスパイアされたJulesが、サステナブルで有効的なサプリメントを作ろう、とスタートしたのがThe Nue Co.だ。

彼らの商品は、身体の調子を整えるサプリメント(Ingestible Supplements)だけでなく、スキンケアのためのサプリ(Skincare Supplements)や、肌に付けるタイプのサプリ(Topical Supplements)なども展開している。出来る限りオーガニック成分を使用し、ヴィーガン&グルテンフリーであることも意識しているだけでなく、パッケージの95%がリサイクル可能であるなど、サステナビリティにも積極的に取り組んでいる。

さて、今日わたしが紹介したいのは、4種あるフレグランスサプリ(Fragrance Supplements)のうちのひとつ「Mind Energy」だ。2021年に発売された商品で、当初からずっと欲しいと思いながらずるずると今になってしまった。ローンチ当初はLibertyで取り扱いがあったので、香りを試してから買おうと思っていたのだが、数ヶ月前に店頭で尋ねたところ「もう取り扱いないのよ〜」とあっさり告げられてしまった。Libertyは商品の入れ替わりが激しいため、狙っているものがあれば(それが小さいブランドであれば特に)すぐに買いに行ったほうが良い、ということを思い出した。

どうしても香りを試したくてブランドに問い合わせたところ、近所でポップアップをしているということが分かったので、早速足を運んだ。4種ある香りのなかでも、森林浴からインスパイアされたという「Forest Lungs」が良いと評判だったので、てっきり自分もこれが気に入るだろうと思ったのだが、パチュリ、ベチバー、パインのブレンドはかなりアーシーでウッディ感がものすごかった。BAUMのような森林浴の香りを想像していたのでその力強さに面食らってしまい、ストレスを鎮めるという効能に魅力を感じながらも購入を見送った。


スプレーした瞬間に「これだ」と思ったのが、「Mind Energy」だった。販売員によると、Forest Lungsはベストセラー、Functional(どんな香りだったか忘れたが、マスキュリンだった記憶だけはある)は男性に人気で、Mind Energyは女性が好む傾向にあるそうだ。クラリセージ、ジュニパー、ピンクペッパーコーン、クローブのブレンドが神経回路を刺激し、集中力を高めてくれるのだという。特許を取得した神経科学技術を用いて作られたこの香りは、コロナの後遺症としても知られる「ブレインフォグ」を解消し、目の前のタスクにフォーカスする手助けをしてくれるのだとか。

トップノートとして強く香るのは、ピンクペッパー。フレッシュでスパイシーなピンクペッパーの香りが好きな人なら、きっとこの香りが気に入るだろう。パリッとした朝の空気みたいな心地よさがある。愛のある平手打ちを食らったみたいに、だらけていた心と体がシャキッとして、パッと目が覚めるような香り。それでいて強引さがなく、すぐに肌に溶け込むように馴染む。甘さはなく、スパイシーなウッディノートが香り続け、仕事中のわたしの背中をそっと押してくれる。30日間の使用で、86%の人が集中力が高まったと実感、76%が生産性の向上を実感、76%が注意力が高まったと実感したという消費者実験の結果も公表されており、より一層説得力が増す。確かに、散らかった頭の中が整理されるような感覚がある。

1月のロンドンは、厳しい。1月3週目の月曜日はブルーマンデーと呼ばれており、1年で最も憂鬱な日と言われている。日本にいた頃は「確かにイギリスは曇りが多いし、日照時間も短いけど、日本の冬だって厳しいんだからきっと大丈夫」なんて呑気に構えていたが、日本とは比べ物にならないほど厳しい。日本の冬は「冬晴れ」という言葉があるように、凍りつくような空気と真っ青な空が印象的だが、イギリスの冬はとにかく陽の光を拝めない。毎日どんより曇り、強風が吹き、1日のうちに何度も雨が降ったり止んだりする。天気予報で「晴れ」となっていても、実際は雲に隠れた陽がたまに顔を出すくらいだったりもするので、裏切られた気分にならざるを得ない。ビタミン剤を欠かさず飲んでいても、やはり気持ちは落ち込む。毎日眠いし、だるい。集中力もへったくれもない。そんなイギリスの冬に、このフレグランスは活気を与えてくれる。わたしは10mlサイズを購入し、常に持ち歩いている。お手頃な価格の「香りのサプリ」は、現代人の新しい習慣になるかもしれない。

10ml £20 : 50ml £85