Fresh lemon tea with a hint of woodiness
ウッディノートを含んだフレッシュなレモンティー
日本ではここ数年、紅茶やお茶をテーマにしたティーフレグランスの人気が高まっているが、欧州ではさほどブームにはなっていない。イギリス人はよく紅茶を飲むにも関わらず、紅茶の香りをフレグランスとして身につけたいというひとは少ないようだ。20年近く前からティーフレグランス好きだったわたし(20歳頃の愛用フレグランスはEau Parfumee au The Rougeだった)は、日本で国産、または台湾や香港のティーフレグランスが話題になっているのを遠巻きに見ては、イギリスにも入ってこないかな…と淡い期待を抱いていた。
そんなとき、Escentric MoleculesからBlack Teaの香りが出たと聞きつけ、Jovoyでサンプルを購入した。ノートを見るとISO E SuperとBlack Teaのみ、と書かれているのに、肌に付けるとレモンのような柑橘が爽やかに香る。まるで、氷をたっぷり入れた無糖のレモンティーのような。ティーフレグランスと一言で言っても、茶葉をリアルに感じるようなものと、お茶の雰囲気を掴んだものとがあるが、これは後者に当てはまる。茶葉の渋みや苦みは感じられず、淹れたあとのアイスティーという雰囲気だ。
肌に乗せてもさほど香りの変化は感じられず、ずっとほのかな柑橘、紅茶、そしてISO E Superの軽やかなウッディノートが続く。香りは淡いのに、動くとふわりふわりと良い香りが漂うのも心地良い。これはEscentric Moleculesのフレグランスに共通する特徴でもあるが、彼らのフレグランスはシンプルな設計ゆえに肌に馴染みが良いからか、香りが長時間持続しやすい気がする。しかも、自分は付けていることを忘れていても、周りが香りに気付く、というパターンが多い。現にわたしも、道端で女性に付けているフレグランス(Escentric Moleculesの04だったのだが)を聞いたとき「え、まだ香ってるの??」と本人がびっくりしていた。香っているどころか、5歩くらい後ろを歩いていてもあたりに良い香りが漂っていたのに。
香りの構造としてはとてもシンプルで、感動するほどの香りの複雑さはないのだが、それゆえにシーンを選ばず気軽に使える香りでもある。わたしの2mlサンプルもそろそろ底突きそうだし、持っているとなにかと便利なので、8.5ml(£20.00)サイズを買おうかと思っている。Molecule 01の香りとティーフレグランスが好きなひとなら、きっと気に入るシンプルな香りだ。
8.5ml £20.00 : 100ml £115.00