Cult Perfumes:Book Review

The best book for fragrance newbies
フレグランス初心者に最適な一冊

「香り」自体は10代の頃から好きだったけれど、フレグランスブランドを深く知ろう、と思うのには20年もかかった。2021年に調香のクラスを受講し始めたときも、フレグランスブランドについてはあまり知識がなかった。これまでは「自分の香り」と思えるものが数個あれば良い、と思っていたので、フレグランスも5本くらいしか持っていなかったし、気に入った香りがあれば何年でも同じものを使い続けていた。

フレグランスブランドについて知りたいと思い始めたのは、香りを創るということに向き合い始めてから。いったい、世の中に溢れるほどあるフレグランスは、誰が、どのようにして作ったのだろうとか、どの香料同士を組み合わせると相性が良いのだろうとか、逆にエキセントリックな組み合わせはどんなものなのだろうと興味が湧いた。香り関連の本はいくつも持っていたけれど、フレグランスブランドについての本は持っていなかった。アナログ人間なので、ウェブで検索するよりも紙で読みたかったので、色々検索していたら、この本を見つけた。

2013年出版の本なので、情報の新しさには欠けるけれど、有名なフレグランスブランドの成り立ちや特徴などを掴むのには充分な内容。GoutalやCreed、Diptyque、L’Artisan Parfumeur、Penhaligon’sなど、誰もが耳にしたことのあるブランドが、それぞれ4〜5ページほどのスペースで紹介されている。オールカラーで、フレグランスボトルだけでなく、店舗やポスター、調香師の写真なども掲載されていて、コーヒーテーブルブックとしても最適。

ブランドの名前は知っていても、その歴史や特徴まで詳しく知らなかったわたしには、とても勉強になる一冊。わたしのような、フレグランス初心者さんにおすすめしたい。