NEZ Magazine

Olfactory magazine for modern age
フランス発 香りにまつわる季刊誌

NEZはフランスの出版会社で、鼻を意味するその名のとおり、嗅覚=香りにまつわる本を専門に出版している。そのNEZが年に2回出版しているのが、NEZ Magazineだ。2007年にJeanne Doré(編集者)、Dominique Brunel(営業 / デジタル)、Mathieu Chevara(アートディレクター / ビジネス開発)の3名によって、前身であるauparfum.comというウェブサイトが立ち上げられ、2016年にNEZ Magazineが発売された。

NEZ Magazineにはフランス語版と英語版があり、ヨーロッパ諸国だけでなくアメリカ、カナダ、中国、ブラジル、メキシコなどでも販売されている。イギリスではAmazonを通しても購入できるが、価格が定価(£20=2021年12月18日現在で約3300円)よりも高いので、わたしはJovoyで購入した。Jovoyではカウンターにサンプル誌が置かれているので、販売員にリクエストすれば中身を確認してから購入することも可能だ。

NEZ Magazineは現在までに14号発売されているが、それぞれに大枠のテーマがある。例えば「アートと香り」「動物由来の香料」「デザインと香り」「嗅覚と味覚」など、どれも興味深い。どれも欲しくなってしまう特集ばかりだが、雑誌にしては高価なので、とりあえず1冊試しに…と思い、一番興味のあった「体と心」号(2018年発売)を購入した。


NEZ Magazineの特徴は、なんといってもそのデザインだろう。内容は専門的で小難しい文体もちらほらあるのだが、文字ばかりだと学術的な専門誌になってしまうところを、ポップなイラストやシックな写真で彩られたデザインが視覚を楽しませてくれる。

雑誌の中には、ICONといってフレグランスとなにかしらの接点があった人物の紹介や、ODORAMAという特定の香料を詳しく取り上げるセクションなど、毎号定番のセクションも豊富だ。特集記事はほぼ文字のみで、かなり深い部分まで踏み込んでいる。雑誌というより読み物という感じで、読み終えると一冊本を完読したような達成感をおぼえる。

つい数週間前に発売されたばかりの14号は、音楽と香りについてだそうで、Jovoyに入荷したら買いに行く予定でいる。イギリス国内でもほとんど販売している店はないが、定期購読が出来るので、特集に関わらず確実に手に入れたい人にはおすすめだ。