Explore an art form of scents with EPC
EPCで香りの芸術性を探求する
Experimental Perfume Club(EPC)は、間違いなくあなたの創造性を刺激するフレグランスブランド。2016年にフランス人の調香師 Emmanuelle Moeglinによって立ち上げられたEPCには、ふたつの側面がある。Selfridgesなどにも置かれているフレグランスハウスとしての側面と、香りの奥深さを教えるスクールとしての側面だ。
Covent GardenのSeven Dialsにある店舗では、黒くスタイリッシュなボトルに入ったSignature Collectionと、カラフルなボトルに入ったEssential Collectionからなるオリジナルフレグランスが展開されている。Essential Collectionはレイヤリングも楽しめる仕様になっていて、Creation Setを購入して3種の香りを好きな比率でブレンドすることで、自分だけのフレグランスを創ることもできる。Signature Collectionは、Essential Collectionを2種混ぜたもので、その比率も公開されている。
Essential Collectionの特徴は、ほとんどの香りがシンプルな構成であること。何十種類もの香料を使わないブレンドだからこそ、レイヤリングやブレンディングして自分好みにカスタマイズしても香りが喧嘩しない。それなのに香りに深みがあるのは、やはり絶妙な配合を叶えるEmmanuelleの手腕なのだろう。彼女はフランスの調香師養成学校ISIPCAでフレグランスに関わる科学とを学び、パリ、バルセロナ、ニューヨークなどの各都市を飛び回りながら、ロレアルやプーチなどといったブランドのフレグランスデザインを担当し、著名な調香師たちとコラボレーションするなどして調香師としての腕を磨いてきた。わたしもお会いしたことがあるが、穏やかな雰囲気を持ちつつも、香りへのパッションを持った素敵な女性だ。
フレグランスは8mlのミニサイズと50mlのフルボトルがあるが、50mlのボトルはリフィルが可能。ウェブでも100mlのリフィルが販売されているが、ロンドン市内に住んでいるなら、Covent Gardenの店舗にて30%以上お得な価格でリフィルサービスを受けることができる(※イギリス国内から、もしくは限られた国からであれば郵送も可能。郵送サービスを利用できるかどうかはこちらのURLからチェック)。
EPCでは、ワークショップも行われている。半日間で香りの基礎に触れられるコースや、1日かけて香りの知識を深めるコース、マンツーマンコースなどがある。香りが好きな友達と一緒にわいわいワークショップに参加するのも良いし、香りに関する知識を可能な限り吸収しに行こうと意気込んで参加するのも良い。
それに加えて、もっと長期的に香りの勉強をしたい人のために、オンラインの調香コースも用意されている。2021年にわたしが受講を始めたのがこのコースだが、動画を見ながら自分のペースで進められるので、仕事や育児の合間に勉強をしたいという人にも向いている。イギリス国内ではワークショップ以外で調香の勉強を出来るところはなく、そういった意味でもEPCは非常に貴重な存在。家にいながらフランスで調香を学び、世界で活躍したEmmanuelleの知識を分けてもらえるなんて、この上ない贅沢だと思う。コースにはFoundationコース、コース2、コース3の3種があり、すべて修了するとCertificateがもらえる。このような形態で調香を学べるのはロンドンでもここしかない。もちろん大学でみっちり数年調香を学ぶのと同列には比べられないが、香りに関する知識を深めたい人におすすめ。このコースを修了して実際に香りのビジネスを立ち上げた人もいるという。
※このコースについては別途記事にする予定
EPCは、フレグランスを纏って楽しむということだけでなく、自分のクリエイションを香りに投影させることの楽しさ、香りを理解することの大切さを教えてくれる、数少ないお店。いつの間にかビューティのメッカとなったCovent Gardenで、香りの探求を楽しんで。