Floraïku One Umbrella for Two

Astonishing blend of sweet and sour berries and genmaicha
甘酸っぱいベリーと玄米茶!驚きの組み合わせ その香りとは?

先日、Harrodsにあるショップをご紹介したフランスのフレグランスメゾン Floraïku。日本にインスパイアされたそのコンセプトを軸に、細部まで徹底したブランディングが素晴らしい、という点は先日の記事で触れたばかりなのだが、具体的にどんな香りのフレグランスなのか、という点に切り込んでいきたいと思う。

Floraïkuの香りは、大きく3つのカテゴリに分かれている。秘伝のお茶やスパイスをテーマにした「お茶」は白いボトル、花の香りを存分に愉しめる「生け花」は濃紺のボトル、禁断のお香を愉しめる「香道」は黒いボトル。また、サブカテゴリとしてゴールドのボトルの限定品や、影をテーマにした「シャドウイング」コレクションもある。

今日ご紹介するのは、FloraïkuのベストセラーのひとつでもあるOne Umbrella for Two。これは「お茶」カテゴリに属する香りなのだが、店頭でムエットを試したときに驚いた。これまでに香ったことのない、とても不思議な香り。しかも、お茶フレグランスなのにだいぶグルマン寄りで、ベストセラーにしてはパンチが効いている。これは一体なんの香りなのだろう、と。

その正体は、ブラックカラントと玄米茶、というなかなかわたしたち日本人では思い付かないであろう組み合わせだった。

スプレーすると、ブラックカラントアブソリュートの甘酸っぱさと、香ばしい玄米茶の香りが広がる。この玄米茶の香りは、お米のポン菓子とお茶のアコードを組み合わせているようなのだが、それがもう絶妙にリアルな玄米茶なのだ。玄米茶特有のあの香ばしさと、奥に潜む茶葉の苦味。ブラックカラントと玄米茶の相性が良いだなんて、ほかに誰が考えただろう。

時間が経つと香りが少しずつ深く、甘くなっていく。ブラックカラントのみずみずしさが落ち着き、茶葉のすーっと抜けるような空気感も静かになったあと、肌に残るのは甘く美味しそうな香り。わたしがイメージするのは、ホワイトチョコレートにブラックカラントが埋まっていて、底にパフが敷き詰められている、あれだ。Fragranticaのレビューにブルーベリーマフィンの香りと形容している人が多いことからも、ベリーの存在感がしっかりしていることが分かる。わたしはマフィンやケーキのようなバニラっぽい甘さはさほど感じず、なぜかスッキリとしたホワイトチョコレートを連想する。フルーティグルマンだが、安っぽさも、しつこい甘ったるさも感じない。控えめなのに確固たる存在感があり、どんなシーンで付けても違和感がない。

久々に、肌にしっくり馴染んでひっそりと香り続けてくれるフレグランスに出会えた、と思った。

OUR EYES RAISE TO THE SKY
NO RAIN
ONE UMBRELLA FOR TWO