boujee bougies Candles

Transform your space with the high-quality natural candles
香り高いナチュラルキャンドルで空間を彩る

イギリス生まれのキャンドルブランド boujee bougies。彼らは、キャンドルを含むホームフレグランスは「単なる家のなかの香りではなく、雰囲気やムードを演出するものだと捉えている。キャンドルを灯すことは、映画のセットを着飾るようなもので、空間を引き立てる雰囲気を創り出す」と言う。ホームフレグランスが好きなひとなら、共感できる理念だ。例えば、空間の多くを占める壁紙や、ソファ、ラグの色を決めるときに、どんな雰囲気の部屋にしたいかを考える。それによって、部屋の方向性が決まる。

ホームフレグランス選びはそれと同じで、自分のアイデンティティを空間に漂う香りで表現するという、身にまとうフレグランスとはまた違った個性の表現なのだ。同じインテリアの部屋でも、タバコやレザーの渋い香りのキャンドルを灯したときと、フローラルブーケのような明るい印象の香りのキャンドルを灯したときでは、部屋に足を踏み入れたときの印象が変わってくる。自分がいまどんな気分で過ごしたいのか、もしくは招くゲストにどんな印象を持ってもらいたいのか、そんなことを考えながら吟味する。わたし自身、キャンドルはもう買うなと自分に言い聞かせているくらい、たくさん持っている。そのときの気分によって使い分けたいから、使いかけのキャンドルも何個かある。クリスマス前はモミの木のような香りに惹かれたし、夏はトマトやミントの爽やかなキャンドルに惹かれる。どんなときも、自分の気持ちに寄り添う香りを灯していたいのだ。

そんなわたしが、いま最も愛用しているのがboujee bougiesのキャンドル。このブランドは、香り関連のコンサルティング会社 Olfictionのプロジェクトの一貫として立ち上げられた。現時点で5つの香りを展開しているのだが、どれもユニークで他のキャンドルブランドにはなかなかない攻めの姿勢が面白い。例えば、スエードやパチュリ、ピンクペッパーなどをブレンドしたcuir cultureは「古本や着古したレザージャケットの香り」と表現されているし、ミルラやフランキンセンスなどをブレンドしたgiltの説明文には「もし協会の壁が話せたら、なにを話してくれるでしょうか?」と書かれている。どんな香りだろう?と好奇心を刺激されないわけがない。


ブランドのご厚意でミニキャンドル(60g)をいただいたので、ひとつひとつの香りの印象を綴らせていただこうと思う。

○ cuir culture
ピンクペッパー、クラリセージ、エレミ、パチュリー、シダーウッド、スエード、レザー、アニマルノート、パップマスク、本
クィアの「大胆な美しさ」を讃える香り cuir cultureは、この上なくセンシュアルな香りだ。埃っぽさ、レザーとスモークの渋み、どことなく汗っぽく、静かに燃える情熱を感じる。かなりガツンとスモーキーなのだが、それだけでなくどこかミステリアスでセンシュアルな深みがある。リビングというより、家のエントランスで灯したい香りだ。

○ succulent
クラリセージ、グリーンノート、カシス、サボテン、トマトリーフ、ゼラニウム、ジャスミン、ルバーブ、スズラン、ムスク
多肉植物をテーマにしたこの香りは、グリーンノート好きにはたまらない。綺麗事を並べたようなグリーンではなく、生々しい、野性味のあるグリーン。植物の湿気を帯びたみずみずしさまで表現されている。ゼラニウムやジャスミンのフローラル感が春の陽気を思わせ、気持ちを高めてくれる。春の暖かい日、部屋をすっきりと掃除して、窓を開けてコーヒーを飲みながら灯したい。

○ hellflower
グレープフルーツ、レモン、ベルガモット、ネロリ、マグノリア、ジャスミン、イランイラン、スズラン、サルファー、ムスク
同名の古いSF小説にちなんだネーミングのこの香りは、軽やかなフルーティフローラルで、コレクションの中で最も大衆受けしそうな香りだ。グレープフルーツやレモンの甘酸っぱさと、マグノリアをはじめとするフローラルノートのエレガントさのバランスが素晴らしい。シトラスキャンディのような甘さもありながら、空間を爽やかな香りで包む。わたしはこの香りで気持ちがシャキっとするので、朝灯すことが多い。一日のスタートにぴったりな香り。

○ queen jam
ベルガモット、カシス、ビルベリー、ローズ、ラズベリーリーフ、アイリス、ミルラ、パチュリ
フィンランドで作られる、ベリー類を煮詰めたジャムにちなんで名付けられた香り。これは、ベリー類とローズの香りが好きな人には全力でおすすめしたい。煮詰めたようなベリーのみずみずしい甘酸っぱさと、少し葉の青みを感じさせるローズの組み合わせがとても上品で、リビングルームをこの香りでいっぱいにすると、自然と幸福感が湧き上がる。

○ gilt
ブラックペッパー、レモン、ジュニパーベリー、サフラン、アルデヒド、タバコ、サイプレス、ラブダナム、アンバー、フランキンセンス、ミルラ、オポポナックス、カシミヤウッド、シダーウッドアトラス
教会の香りをイメージしたgiltには、キリストの誕生時に三博士が贈り物として持参したと言われるミルラとフランキンセンスがブレンドされている。この香りは、まさに教会。古い建物特有の匂いと、絶え間なく灯される蝋燭の煙たい匂いが入り混じり、目を閉じて香ると教会にいるような神聖な気持ちにさせられる。甘さは一切なく、シトラス感やフローラル感も感じない。瞑想するときにぴったりな、木と煙の香り。

boujee bougiesのキャンドルに使われているのは、菜種、大豆、蜜蝋をブレンドした100%天然のワックス。燃え方もきれいで、さほど煤も気にならない。香りがしっかりとついているので、開封後数日は「cold throw(火を灯さない状態の香りのこと)」を楽しんでいる。ブラックのガラス容器はシックで、どんなインテリアにも合う。わたしがいただいた60gのキャンドルは旅行に行くときにも持っていけるサイズで、燃焼時間は20時間とたっぷり。ミニサイズがセットになったディスカバリーセットは5つで£70とお買い得だ。公式サイトから日本への配送も行っているので、個性的で香り高いキャンドルをお探しの方はぜひチェックして。

220g £35 / 60g £18