The Big Book of Perfume : Book Review

Everything you need to know about perfume, is in this book
香りが生まれてからわたしたちの手元に届くまで、すべての過程を網羅した一冊

先日こちらの記事で紹介した、香りに関する書籍や雑誌を専門に扱うNEZから出版されている「The Big Book of Perfume」は、フレグランスがどのように作られ、どのような過程を経てわたしたちの手元に届くのかに興味がある人にはたまらない一冊だ。

匂いのメカニズムから始まり、香水の歴史や原料について…というところまではよくありがちな項目だが、ここからが面白い。香りにたずさわる仕事にはどのようなものがあるのか、調香師はどのようなトレーニングを積むのか、調香とはどのような手順を踏んで行われるのか、フレグランスは工場でどのように製造されているのか、そして出来上がった商品はどのような過程を経て市場に出回り、それをサポートするマーケティングとはどんなものなのか…と、ビジネスサイドに切り込んでくるのだ。


内容だけ聞くと堅苦しそうだが、NEZらしい自由なレイアウトと、カラフルでポップなイラストのおかげで、絵本のようにさらさらと読めてしまう。200ページ強の本だが、その情報量にはさすがNEZと思わされる。網羅されている項目が幅広いので、この本をさらっと読むことで新しい知識の扉が開かれる。気になる項目については更に自分で調べることで、香りに関してかなり深い知識を取り入れることが出来る。

ちなみに、この本には雑誌と同様に仏語版と英語版があるので、購入時には注意が必要だ。NEZからは他にも数冊、The Big Book of Perfumeと同じフォーマットの本が発売されているが、いづれも仏語もしくはバイリンガル表記になっている(こういうときに「フランス語を勉強しておけばよかった…」と後悔するのだが)。日本のAmazonでも(割高ではあるが)販売されているので、香りに興味がある人は一度手に取ってみてほしい。