Davines OI Shampoo and Conditioner 

Shiny hair like you see in TV adverts.
テレビの広告で見るような、つややかな髪

2021年4月、渡英前に20年以上お世話になっている美容師さんに髪をバッサリ切ってもらった。肩上のボブにしたのは15年振りとかで、美容師さんのテンションが妙に上がったのを覚えている。毛先をブリーチして、上からブルー味のあるダークブラウンを重ねて、パーマもかけた。わたしは超直毛なのだが、髪が細いのでそのままにしておくとボリュームが出ない。なので、18歳頃から年2回ほどパーマをかけていた。

ロンドンに来て半年くらいは、ヘアスタイルが最高に良かった。洗っただけでもかわいい。結んでもかわいい。パーマのかかったおくれ毛がちょっとこなれ感を出してくれるし、このまま髪が伸びなければいいのに、と願った。が、その願いも虚しく、そろそろヘソに届きそうな勢いでぐんぐん伸びている。パーマはとっくに落ちて、完全な直毛に戻った。これでは自己肯定感が育たん、と思い、コテを買って毎朝巻き始めたが、それと同時に毛先がパサつきはじめた。香り重視でヘアケア商品を選んでいたが、信頼できるOlaplexに戻した。

Olaplexは素晴らしい。これを使い続けていたら、先述の美容師さんに「この20年で髪質が一番良い」と褒められた。ただなんとなく使い心地が好きで使い続けていただけだったから、実際に効果があるのかと驚いた。それ以来、Olaplexはわたしの救世主となった。

せっせとOlaplexを使う毎日が続いたが、あるとき、これだけだと毛先がまとまりづらいことに気付いた。オイルを併用しないと、なんだかパサパサ感が拭えない。オイル、シャンプー、トリートメントが一気に底をつきたタイミングで、そろそろダメージも補修されているだろうから、質感重視の商品に変えようと思い立ち、試しに買ってみたのがDavinesのOIだった。

OIシリーズには熱帯に生息するアナトーから採取されるオイル(ルクの実オイル)が配合されている。ルクの実は、古くから発熱や皮膚疾患などの治療や、蛇に噛まれたときの抗毒素として使われてきたという。人参の100倍ものβカロチンを持つこのオイルは、一部でアルガンオイルよりも髪に良いと謳われている。それはβカロチンが髪の自然な色の元となるメラニンの生成を促すことで白髪を防いだり、日焼けによる細胞のダメージを軽減するためだ。さらには、独自に開発したシリコンを配合することで、滑らかな手触りを実現している。


シャンプーは280ml £21.50。ミルクのような見た目で、バスルームに置いてもかわいい。ただ、蓋が使いづらいのが難点。バスルームで蓋をくるくると回して開け、緩いテクスチャのシャンプーを手に出し、こぼれないように気を付けながらキャップを回し閉めるという小さな手間が、毎日のことだと面倒に感じてしまう。ポンプが別売りされているという情報を見たので、Libertyの店頭に買いに行ったのだが、販売員曰く「ポンプはサステナブルではないのでブランドの意向で廃止され、この容器に変わった」とのこと。ただ、今後またポンプが復活する可能性もなくはない…という曖昧な回答だった。

先ほど触れたとおり、テクスチャは緩い。Olaplexのもったりとしたジェルのようなテクスチャに慣れていると、若干シャバシャバに感じるが、泡立ちは悪くない。洗うときしむ、という声も聞くが、個人的にはさほどきしみは感じない。というか、恐らく海外のシャンプーにはこういう洗い心地のものが多い気がする。髪が細いので、シャンプーで洗っただけの裸の髪をあまりいじると抜け毛や切れ毛の原因になるので、わたしはシャンプーしたあとはできるだけ髪に触らず、すぐにコンディショナーやヘアマスクを付ける。多少きしんだとしても、なんの問題もない。


コンディショナーは250ml £22.50。ジャータイプだが、テクスチャが硬いのでシャンプーほど面倒には感じない。コールドクリームのようなテクスチャで、指の跡が翌日までくっきり残る。手のひらにしっかり伸ばして、毛先を中心に馴染ませ、残ったほんの少量を耳から下くらいに馴染ませる。毛先はキューティクルを撫でるようにしっかり揉み込む。5〜10分置く、と書かれているが、朝のシャワー時に髪を洗うわたしにはそんな時間はなく、だいたい1〜2分で流してしまうが、それでも充分効果的だと思っている。

このシリーズを数週間使っていて満足度が高い理由を挙げてみると:

○ 洗い上がりの髪が毛先までツヤツヤになる
随分ありきたりな表現になってしまうが、本当に驚くほど毛先までツヤツヤ、ツルツルになる。オイルが必要ないくらい、毛先の先まで光を反射する。乾かしただけで毛先がしっかり同じ方向に向くので、いちいちブローしなくてもサマになる。わたしのような猫っ毛持ちは、うるおいや手触りを重視すればボリュームを犠牲にし、ボリュームを重視すれば若干のパサつきは許容範囲、というのが基本だ。OIシリーズは、その両方を叶えてくれる。全体的にふわっと仕上がるのに、毛先はつるんと滑らか。テレビでよく見る、弾力のあるつややかな髪が手に入る、と言えば想像しやすい。OIオイルも買おうと思っていたが、あまりにシャンプー&コンディショナーの使い心地が良いので、いまはこれだけで満足しているほど。

○ 香り
好き嫌いがきっぱり分かれている香りだが、わたしも最初はちょっと面食らった。バニラとスパイスの香り、と表現されているが、わたしには小さい頃嗅いだ臭い玉か練り消しみたいな香りに感じてしまった。これが1日続くとは…と不安を覚えたものの、実際には1日中香るほど持続性はない。ただ、生活臭が付きづらいような気はする。鼻を近づけて嗅げば、ほのかに清潔感のある香りがする、という程度だ。使い続けるうちに、この香りにも愛着が湧いてきた。言われてみればバニラだし、言われてみればお香っぽいようなちょっとミステリアスな香りがセンシュアルで良い気もしてきた。OIシリーズの一番の魅力は仕上がりだが、香りも悪くないというのが満足度に貢献している。

○ 価格
どうしてもOlaplexと比べてしまうのだが、Olaplexはシャンプー&コンディショナーのセットが£56.00。それに対してOIシリーズはセットで£44.00。たった£12.00の差だが、やはり買いやすさは魅力のひとつだ。今後は、髪が悲鳴を上げているときはレスキューアイテムとしてOlaplexを使い、ある程度元気になったらDavinesを使う、といった風に使い分けたいと思っている。

どんな髪質にも合うとされるOIシリーズは、全体的に満足感が高かった。次に使うヘアケア商品で悩んでいる方は、一度使ってみても良いかもしれない。